都知事と関係が深い大手ゼネコンの鹿島や電通を筆頭に、皮算用がはずれ、意気消沈の大企業が多いが、中でも顔面蒼白(そうはく)なのが森ビルとか。
売上高の5倍以上の9000億円近い有利子負債を抱え青息吐息の森ビルは、関係者によれば、「東京都が進める環状2号線プロジェクトが起死回生策」だという。五輪招致が決まれば、都ばかりか国からも予算がつき、周辺地価も上がり、一息つけるところだったのだが、すべてはパー。金融界で再び“注目される”企業になっている。
石原の大罪はここにもあるのだ。
(日刊ゲンダイ2009年10月8日掲載)
森ビルってのは五輪招致に向けて怪獣映画作れそうな東京のジオラマ作った不動産屋さんと記憶しているが、他にもこんなエピソードがあった。
2004年におきた六本木ヒルズ森タワーの回転扉事故では森ビル側の管理過失が認定された。(ウィキペディア)
六本木ヒルズ回転扉死亡事故 2004年3月26日午前11時半ごろ、大阪府吹田市の溝川涼ちゃん(6つ)が、六本木ヒルズのオフィスビル「森タワー」(地上54階、地下6階)正面の大型自動回転扉(直径4・8メートル)で、閉じかけた扉に頭を突き出すように中に入ろうとして頭を挟まれ死亡。涼ちゃんは、父親の単身赴任先に母親と遊びに来ていた。森ビルと遺族の間で9月中旬、賠償金の支払いや安全対策を約束することで示談が成立した。
(2005年01月26 日掲載)
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/2465/
もともと安全面ですらアバウトな体質の会社ではあったわけだ。五輪で道路建設が決まれば数兆円の出費がなされるはずだったから、皮算用もしたくなるというわけか。それにしても希望的観測にもほどがあるというものだ。冷静に考えれば北京→東京という順番はありえない。巨額の利益に目がくらんで判断を誤ったというところだろう。

5億円かけたジオラマ
「これ使って特撮映画でも作ろうよ。」「また、はずしたらどうするんですか?」